身体障害者手帳を申請するまで
身体障害者手帳を申請するまで
自己導尿を始めて10年以上も前になりますが、障害者手帳の申請を拒んでいました。
彼女ができても、なかなか障害の事を打ち明けることを躊躇しており、気の合う友達ぐらいにしか話をしていませんでしたし、自分の障害について、なかなかカミングアウトする勇気がありませんでした。
そのようなこともあり、そのまま障害者手帳の申請はせずに、そのままにしていました。
結婚を決意したときには、彼女に障害の程度を伝えそれでも結婚をしてもらえるかどうかの確認をしましたが、かなり勇気がいることでした。
ただ、彼女に伝えるものの、正直詳細までは伝えていないのが実情です。
伝えた内容としては、自己導尿にてカテーテルを使用しており、その為に定期的に通院が必要なこと。おなかの調子がよくない事を伝えました。
本当なら、常に紙おむつを使用していることまでカミングアウトすると私自身、楽になるのですが、なかなか伝える勇気がありません。正直、妻は感づいているかもしれません。
そんな中で、妻に障害者手帳の申請をしても良いか尋ねたところ、メリットがあるなら申請してみたらという回答でした。
それを受けて、障碍者手帳の診断書の記入の依頼をすることにしました。
いつも通院している泌尿科で下剤等も処方してもらっていたので、本来なら直腸障害まで診断書をもらいたかったのですが、泌尿器の先生に他の消化器外科に行ってほしいと言われたため、膀胱障害のみの診断書を書いてもらいました。
直腸障害の診断を書いてもらう医師については、市役所で診断書の記入が可能な医療機関を確認し、都合が良いときにでも受診したいと思います。
もし、直腸障害まで認められれば、障害等級は3級となりますので自動車税の減免等メリットがでてきます。
膀胱障害のみの場合は障害等級としては4級です。
では、どんなメリットがあるか見ると
〈膀胱障害 障害等級4級〉
・高速道路半額(本人名義等特定の乗用車1台)
・JR等半額(100km以上で乗車券のみ本人分が半額)
・所得税、住民税の控除
・障害者等の専用駐車場の使用等があります
- その他地域により福祉制度が上記よりも多い地域もあると思いますが代表的なものを挙げております。
最後に
私自身感じているのは、結局のところ、生命保険の加入等も含めて障害手帳の有無は関係ないように思います。障害者手帳があろうが、なかろうが、結局身体の状況は変わることはありません。という事は、障碍者手帳のメリット部分を享受するほうが良いと思います。
確かに障害者手帳を持っている事のカミングアウトは勇気はいりますが、結局そのときは身体の状況をカミングアウトする必要があると思いますので、障害者手帳は申請をした方が良いと思います。
自己導尿における必須アイテムについて
自己導尿においては、ネラトンカテーテルと消毒液等が必須になります。
消毒薬を持ち運ぶのに、消毒薬にカット綿をしみこませてケースに入れて持ち運ぶと便利です。
ネラトンカテーテルは医療機関で手に入れてもらうものとして、消毒薬等については各自自分で手配が可能です。
私は市販で販売されている、オスバンSと精製水で100倍~200倍で希釈して消毒薬を作り、カット綿をA8のクリアケースに入れて、消毒薬をしみこませて使用しています。
カット綿は導尿時に、ペニスの先と手先の消毒に使用しています。
2週間程度の旅行でも、何個かクリアケースを用意し、必要分のカテーテルを用意すれば普通に旅行にも行けます。
各アイテムについて
オスバンS、精製水はドラックストアにて購入可能です。
最近は、新型コロナウイルスの影響で、精製水の入手が困難なときがあります
カット綿はアマゾン、楽天等にて販売してます。
A8クリアケースは100均で入手できると思います。
自己導尿におけるカテーテルの料金について
ネラトンカテーテルと消毒液が必須になります。
以前はネラトンカテーテルを挿入するときは、キシロカインゼリーなどを使用していましたが、最近では親水性コーティングのカテーテルを利用することが多いです。
使用するカテーテルの種類については、通院している泌尿器科で相談をしてください。
2020年での診療報酬では、親水性コーティングのカテーテルを使用する人についての料金が定められております。1か月にカテーテルを使用する本数が60本以上、90本以上、120本以上使用する場合でカテーテルの金額が変わってきます。
(例)
1か月で使用するカテーテル 診療報酬 3割負担での自己負担の料金
60 本以上 1,700点 5,100円
90 本以上 1,900点 5,700円
120本以上 2,100点 6,300円
ただし、上記のカテーテル料金とは別に在宅自己導尿管理料や再診料、処方箋料等も費用として実際はかかりますので注意してください。
1か月で使用するカテーテルの本数で金額が変わってきますので、予め1か月で必要なカテーテルの量を計算して病院からもらうのがよいと思います。
上記の例から、使用するカテーテルが1か月で60本でも80本でも料金は同じわけですから、計算をして病院にカテーテルを用意してもらってください。
二分脊椎の診断を受けるまで
当時を振り返ってみると、症状としては、25歳くらいから腰痛が頻繁にあったことが始まりではなかったかと思います。その後、数か月後には、突然尿失禁をするという症状が起きたりしていました。
またそして、射精をした直後、おしっこが漏れそうになり、トイレに慌てて駆け込んだりと、いうような症状が初期としてはありました。
その時は、まさか自分が障害を抱えているとは思いもよりませんでした。
その後も、仕事は普通に続けておりました。
症状はまったく改善する気配もありませんでした。
当時は営業の仕事をしていたのですが、営業車を運転している最中におしっこを漏らしてしまうという事もしばしば発生してきました。ズボンはビシャビシャです。
漏らすときはいつも1人での行動の時だったので、助かりました。もし同僚と一緒に行動をしていたら、恥ずかしくてしょうがなかったのでは思います。ちなみに、濡れたズボンは車の暖房などで乾かしていたりしていました。
しばらくすると、おしっこのおもらしの次は便失禁です。
会社から家に帰る途中に、“おおきいのがしたい”と思った10秒後には便失禁をしてしまい、大きいのを漏らしてしまいました。そして風呂場に直行したのを覚えております。
そのときは、漏らしてしまったことにについて、おとなが情けないと思いながら後始末をしていました。
当時を振り返ると、正直、おしっこが出にくいことについては何か体がおかしいのかなぁと思うことはありましたが、大きい方を漏らしてしまうことについては、病気とはあまり考えてもみなかったです。ただ、あまり深く考えなかったこと、こんなことを誰かに相談できるような状態でもありませんでした。平成10年頃なので、今みたいにインターネット上に豊富に情報がある状況ではありませんでしたので、何か悩みを検索するようなこともできませんでした。
そして、そんな事を繰り返すこと2~3年、小便をするときは腹圧をかけないと小便ができない状態にまで状態は悪化してしまいました。
もうこの状態は、受診しなければならない状態です。
そんな中、当時付き合っていた彼女が無理やり受診をすすめてきました。
それでようやく受診となったわけです。
それで、27歳のときに大学病院等で検査を行い、検査の結果二分脊椎の診断を受けました。
この日から、自己導尿が始まりました。今までは泌尿器科で診察をうけておりましたが、脳外科を紹介されました。
二分脊椎の診断を受けたその夜は、“何で僕が”と一晩布団の中で泣いていたのを覚えています。
のちに、世の中には、僕なんかよりも大変な病で苦しんでいる人が大勢いる。“僕は歩くことも、しゃべることも普通にできる。僕は普通に生活ができるのだから幸せだ”と考えられることができるようになり、だいぶ楽になりました。まずは現実を受け止めて生活していこうと考えました。親を恨んでも仕方ありません。親も障害のある子供を産みたかったわけでは、決してないですからね。
そして、今となっては、受診のきっかけを作ってくれた当時の彼女に感謝をしなければなりません。
同じようなことで悩んでいる方に対し参考にできるかどうかわかりませんが、何かの手助けになればと思います。
また、その後についても載せていきたいと思います。